実録!株式会社サイバーエージェント取締役 人事統括曽山哲人 氏が語る仕事論

CxOから学ぶマインドセット!成功の裏にはこんな失敗があった|サイバーエージェント曽山哲人|CxOの履歴書チャンネルVol.002

企業名
株式会社サイバーエージェント (東証一部)
出演者
CHRO 取締役 人事統括
曽山哲人

今日も曽山さんにお話を聞いていきたいと思います!
よろしくお願いします。

お願いします!

今日はお話の最初として人事になられて2005年からなんで15年経たれたと思うんですけど、振り返った時の曾山さんにもあるだろう、あってほしい失敗経験。

いっぱい経験ありますよ、死ぬほどありますよ。
前編で言った通り、新R25でも調べると、まず制度の失敗があって非常に綺麗な話なんですよね。「制度を作って失敗した」なんで…。

で、辞めたという?

非常に勉強になる話。

できれば、個人的なの知りたいな~。

人と人とのハード シングスって、人事とかめちゃめちゃありますからね。
「メール誤爆事件」っていうのがあって…。皆さんも例えば、今だとメッセージも幸い消せるものが増えてきましたけど、でも消せないやつもまだありますよね?

最近はラインとMessengerは消せますよね?

消せるようになってきましたけど、ひやひやする事もあるじゃないですか?メールはご存知の通り、送ったらもう終わりですから、その瞬間消せることはできましたけどね、もう送っちゃったらサヨナラ~。
何が起きたかというと、当時サイバーエージェントってまだ退職率が高くて、それをテコ入れするために営業部長だった曽山が「人事に行って」ってなった訳ですけど、結構トラブルが多かったんですよ、社員同士とか。
ある事業部長の方はすごくいい人で誠実な方なんですけど、結果が出ない。この上に取締役がいたんですよね。
この取締役に私が人事部長として呼ばれて、結果が出ない事業部長をAさん、役員を Bさんとしましょう。
B役員と話していたら、Aさんはすごくいい人なんだけど、結果が出てないからメンバーからちょっと突き上げが結構あって、「本当に申し訳ないんだけど、給与を下げて頑張ってもらうか、もしくは別のキャリアを歩んでもらうかをほんとに悩んでんだよね。」って 、B役員からは「曾山くん、ちょっと一回さ、話といてくんない?事業部長と」と言われたんですよ。

なるほど

僕がAさんに会話する前に、金額を決めないといけない訳ですね。メールでちょっとB役員でやりとりしてたんで、「金額を例えば、この○万円から○万円にしますね」っていうのをB役員に送ったんですよ。

その後にAさんと話すためにですよね?

そうです!B役員に送ったと思いきや…

もしや?

みたいな感じで、「あれ?」メールのTOを見ると、その事業部長Aさんの名前が書いてある。がびーん…
しかも、これメール送った後に気づいたんだけど、もうその瞬間、「あー詰んだ」と思って、どうしようどうしようと思ったけど、まずやるべきはB役員にこれをまず先に言わなければならない。

間違いない!

これから炎上するからこれからも炎上するわけですから、まずはB役員に「すみません。あのB役員に送ろうと思ったものの給与の話をAさん本人送っちゃいました。」と報告。

「金額いくらをいくらにします。これの金額でいいですか?」っていうのを役員へ確認のメールをAさんに?

そうです。

もらった方は嫌だな~。

もらった方嫌じゃないですか。すべてこの三者全員嫌じゃないですか。B役員は「これは素直に謝るしかない。間違えたことを素直に謝り、ただAさんの問題は問題だから、切り分けて話してほしい」って話をもらって、速攻でAさんに連絡し「時間ください」と「今お送りしているメールの件です」と…。

正面突破だ!

そうです。すぐ時間をもらって「本当に申し訳ない」と誠意をもって、「まずお送りした金額はこういう背景とこういう意図があって金額を相談しようと思って送ったものだ」というのを率直に伝えました。
率直に伝えた上で「○○さんの力になりたい」と。「このミスは本当にお詫びするし、できることはします。ただ、今のままだとパフォーマンスが上がってないということがあるので、このままだと評価されないことも残念が決まっている。」且つ下からの突き上げがあるってなるときついですからね。なので、「きちんとあり方を考えましょう!」って対応をして、色々試行錯誤した結果、最終的にご自身から「外の会社に行こうとしました」って言ってくださったんで、最終的に辞める時も普通の対話ができて良かった。これは、本当に自爆。本当にきつかったですね…。

イージーミスっすね。

イージーっすよ。部下から報告を受けたら、「ふざけんな!」という話じゃないですか。
だけど、やっぱり仕事をすごく忙しくやってると集中力が切れる。それは、他の仲間が事故を起こす時も、よっぽど稼働が重かった、責任が重すぎたとか、もちろん怒るときもありますけど、相手の背景も汲まないといけないなって思うんですよね。

そこから学んだわけですね!

メール誤爆でしょ?大丈夫、おれもある。

心強いな、その一言!

結構、トラブル報告は僕もあるので、「大丈夫ある!あるけど俺は生きてるから大丈夫だ!」「いるじゃん、ここに」って。

そっか、曽山さんでもイージーミスするんだな~。

いくらでもありますよ!

やっぱり、曽山さんは完璧な方と見えてるから…。

性格は完璧主義だね。それが好きな動物なんですけど、完璧にしたいんですよ。性格的に、もうどんなタイプ診断でも絶対完璧主義、細かい、神経質って。ホントに自分もそう思います。

そうなんですね!

これがコンプレックスですね…。

意外なところがこの番組内ででましたね。そこはちょっと改めてまたあの別の日で夜の部で飲みながら…!
曽山さんにもう1つ意見として聞きたい話が「キャリアの考え方」!例えば、サイバーエージェントの社内でも出世欲、成長意欲が高くて、やっぱり評価は給与と役職タイトルもあると思うんですけど、そこを渇望する方々も多いと思う。ただ、一歩間違えたら結構失敗する可能性もあるコミュニケーションとか…。

これはありますよね。やっぱりね、もっとこういうことやりたいとか、出世でいうと、上に行きたいとかいっぱいあるじゃないですか?

給与上げてくれとか…。

これってもう重要な考え方があって、「意思や思いは出せ。だけど、時期は出すな。」
例えば、子会社の社長なりたいとか新規事業立ち上げたいとか、これって意思じゃないですか。これが例えば、「曽山は社長をやりたいんです。よろしくお願いします!」これ絶対言わないと伝わらないし、言わなかったら知らなかったって言われても、何も責任ないわけですよ。これすごい大事。
なんですけど、ダメなのは「30歳までにとか、3年以内でやらせてくれないなら、人生考えます」って決めるのは、あなたの人生の枠の中だけの話で、この発言っていうのは別にしてもいいんですけど、組織を無視してるんですよ。

なるほどね。

チームを無視しちゃってる発言。なので、「チームを尊重するけど2、3年で」って言うならまだまだ譲るんですけど、なんか「3年でやらせてくれないなら、人生考えます」みたいなのは、これは見た感じで分かると思うんですけど、自己中なんですよね。なので、意思は出せば、「あっ、いいじゃん。でも今じゃないから。」「また考えとくね」って言われるケースもあるし、「いやお前そもそも新規事業を立ち上げる力まだ足りてねーじゃん」ってフィードバックをもらえることもあるし、「ちょうど新規事業を考えていて、お前が言ってる案じゃないけど、こういう事業を一緒にやる?」みたいな別の何かオファーが来たりするんで、意思表明はものすごい柔軟でやりたければ絶対言って意思は出せ。

これ一番大事ですね!

これ大事!キャリアアップにおいても1番大事です!僕いままで人事役員になってから、抜擢されている社長に、たくさん「なんで抜擢されたのか」を聞いたんですよ。というのはコレ、6年間の営業時代に人事部長には呼ばれましたけど、新規事業とかのTOPに呼ばれたことがなかったので、ちょっとジェラってたんですよ。

曽山さんがこういう声がかかったことがなかったってことですよね?

そう、なんで彼にはかかる?同じ営業ですよ、同じ営業でかかってるのに…。曽山にはかからないないんだろうと思って、「なんだかなぁって、実力がないからかなー」なんて思って…。
次、人事本部長になったんで、抜擢された何人かに聞いたんですよ。答えは一つだけ。「僕やりたいと言ってました。」って。だから、今皆さんが「やりたいことをやらせてくれない」というふうに思ってるなら、言ってない人!
すぐ言った方がいい!多分、99%言ってないじゃないかなと思う。言ってないのに「やらせてくれ」は、今のこの立場で言うとちょっとおこがましい。あえて伝えとくと必ず反応くる。「いいねぇ」か「ダメか」「いつかやるか」とか、何か反応がくるんで、それが皆さんの成長のステップになります。

なるほど、なるほど!

けど、時期の束縛だけは会社とかチームありきなので、リクエストじゃないけどそれを強めにいうのは、まあチームの和を乱すという…。チーム時間軸がずれちゃうので、「功を焦るな」というのが会社にあるんですけど、自分の利になるようなものを焦って、自分の時間軸で勝負しようとすると、大体自分のプライドとかエゴとかそっちが先にきていることが多いので、来てる時流とかを見逃しちゃうことが多いんですよね。

僕実はですね、前のファーストキャリアを辞めて次のフィールド行くときに、藤田さんにおこがましくも「アドバイスください」と言ったら、 「自分のタイミングで勝負するな」と言われたんですよ。
「大体失敗するから、流れをみましょう」と。サイバー内ではこの考えが浸透しているのか、曾山さんが理解しているのか…。

そうですね、サイバー内でよく言われることですね。例えばですけど 、10年前にVRリアリティに気付いた方いらっしゃると思うんだけど、やりましょうはちょっと早いって今聞けばわかるじゃないですか。それは自分のタイミングですよね。
今ちょうどブロードバンドになったし、技術革新も済んだし、じゃあ今ぐらいかなぁみたいなのは、時流を読むっていうこともある。ということで、キャリアは是非、意思は出すが時期はだすな。
本当に出世したい人はいい人材が多いと思うんですけど、考え方ひとつでっていうと害役になる可能性もありますから。

これ、全部我慢しちゃうとダメですね。まあ優秀な人は、やりたいならやれば絶対に言った方がいいですね。
むしろ、すぐできる可能性も結構あるんで!

そうですね、それがタイミングの可能性がありますよね!「僕2年後に社長やりたいんで、2年後やらせてください」って言うと、「いやいや、今やろうよ!」っていうの結構ある。時間軸短縮ってすっげぇあるなら絶対言った方がいい!

 これ再生回数伸びるな~。お話の趣旨でちょっと変わって、さまざまなメディアや講演を出られて、そこで見てる方、聞いている方多いと思うけど、パーソナルの話で曾山さんのエネルギーやモチベーションの源泉がどこにあるの?という。

人間なのでへこむ時ってあるじゃないですか誤爆したりとか…。今から消えたい、土の中に潜りたいとか…。

その中で今の曾山さんのモチベーションの源泉・エネルギーはどういうとこにあるか!

これは僕のなかでは結構シンプルで。大学時代の就活した時に思ってた言葉が支えになってるんですけど、「すごいチームを作りたい、すごい組織を作りたい」っていうのが僕の根幹にある。

大学時代、ラクロスをやって、キャプテンもやられて

でも、すごい強いチームになったかというと残念にならなくて、本当に良いチームだったんですよ。良いチームだったんだけど勝利ができなかった。チームで結果が出ないのがすごい悔しくて、結果が出る、勝てるチームを作りたいって。なので、すごいチームを作りたいは人生のテーマ!

曾山さんのまさに人生のテーマは、実は高校の時にその息吹があったんじゃないかと!なんと、高校2年生の時ダンスやっていて、30~40代なら知っているダンス甲子園「元気が出るテレビ」で全国第3位!

チーム名「D or D」die or dance!

死ぬか踊るか。どれだけやばいんだっていうね。それもチームプレイですよね?

そうなんです、僕が完全一番年齢が若かったこともあって一番下っ端だったんです、11人の中で。でも、すごく個性あるし、喧嘩もしたし、なんかぶつかってたし、なんかちょっといがみ合ってたところだったんですけど、初めての大会で全国3位になれたのは、僕の中でなんかすっごい自信で。現場投票もあって優勝者が決まるので、これは面白いぞって!

ダンス部もラクロスも、チームの高揚感!

そうなんですよ、1人でいることがちょっと寂しいなと思うので、みんなでやれたらいいなというのは感覚としてはありますね。なので、「凄いチームを作りたい」というのは僕の根源なので、日々メールの誤爆があったり、人事制度のミスがあったり、なんか色々怒られることがあったとしても、トータルすごいチーム作るんでしょみたいなっていうところ。
ならば、気分のムラはもちろんありますけど、モチベーションという言葉はないって言う人たまに結構いらっしゃるんですか。そういう仕事バリバリやってる人ってそれに近い状態なんですよね!

なるほど!最後に本気でキャリアアップを目指している方が本気で観てると認識してて、そういった方々に向けて最後メッセージをお願いします!

みなさん、見て頂いてありがとうございます、やっぱり、キャリアは自分で作るもんですよ、やっぱり、もちろん会社のルールとか仕組みとか、上司の関係とかあると思いますけど、それでもせっかくだったら、自分の人生!自分が主役!自分で作ってもいいんで、是非その自分が主役だと思って、自分のキャリアを作ってもらえればなというふうに思いますので、ぜひ頑張ってください!

最後もしまるな、やっぱりさすが!今日は2回にわたって本当にありがとうございました!
また、どこかでチャンネルに出てください!

ぜひぜひお願いしますよ!