CxOとは?

最高責任者CxOの種類や仕事内容を解説

あなたはこれまでに「CxO」という言葉を聞いたことがありますか?

「シーエックスオー」と読みますが、最近では、ニュースや企業の役職名で見かけることが増えてきました。
今回は、最近耳にすることが多くなった「CxO」の意味や種類、歴史などをご紹介したいと思います

CxOの意味って?

CxOとは、「Chief x Officer」の略称で、Chief=組織の責任者、Officer=執行役を意味しています。
では、「 x 」は何でしょうか?
xはそれぞれが担当する業務を表しており、「x」に入るアルファベットによって内容が異なります。

CxOで最も有名なのはCEO(Chief Executive Officer)でしょう。CEOは「最高経営責任者」のことですね。CMO(Chief Marketing Officer)は「最高マーケティング責任者」、CFO(Chief Financial Officer)は最高財務責任者ということになります。

このように、CxOとは“各業務の責任者”を示しており、責任の所在や担当業務範囲を分かりやすく区別しています。

CxOが日本で使われるようになった背景・歴史

では、なぜCxOという言葉が日本でも浸透し始めたのでしょうか。

「CxO制度」の発祥はアメリカの企業です。日本ではまだ「CxO制度」を導入している企業は少ないですが、欧米企業では経営における責任者と業務の執行責任者を細分化する仕組みがあり、業務内の執行責任者が誰なのかを明確にするために「CxO」という言葉が1980年代に使用され始めました。
取締役会の機動性アップを目的として、日本企業ではソニーが1997年に執行役員制度「CxO」を導入しました。日本の先がけと言えるでしょう。

また、日本マイクロソフトも早期にCxO制度を導入した企業の1つです。樋口泰行氏が代表執行役兼COOだった2007年に「CQO(チーフ・クオリティー・オフィサー)」という役職を作り、当時日本HPでサーバ関連事業に従事していた牧野益巳氏を初代CQOに任命しました。技術的品質だけでなく業務改善品質まで守備範囲だったそうです。

近年、欧米流の経営手法や会計基準と共にCxO制度を取り入れる日本企業が増えてきています。また、企業が海外機関投資家向けに発行している統合報告書にCxO制度の導入有無を記載するケースも多くなっています。有名企業では、SOMPOホールディングス(東証一部)が2017年に発行した統合レポートにもCxO制度導入の記載がありました。

CxOの種類とは?

では、CxOにはどのような種類があるのでしょうか?

Forbesの記事によると世界には47種類もの「CxO」があるそうですが、今回はその中でも我々がよく耳にする23種類をご説明します。

23種類の中でも特に知っておいたほうが良いのは、CEO、COO、 CFO、 CHRO、 CIO、 CMOの6種類でしょう。
CxOとして転職を考えられている方は、この6種類くらいは暗記しておかれると良いかもしれません。

CAO
Chief Administrative Officer最高総務責任者
CBO
Chief Branding Officer最高ブランド責任者
CCO
Chief Communication Officer最高コミュニケーション責任者
CDO
Chief Digital Officer最高デジタル責任者
CEO
Chief Executive Officer最高経営責任者
CFO
Chief Financial Officer最高財務責任者
CHO
Chief Health Officer最高健康責任者
CHRO
Chief Human Resource Officer最高人事責任者
CIO
Chief Information Officer最高情報責任者
CIO
Chief Investment Officer最高投資責任者
CISO
Chief Information Security Officer最高情報セキュリティ責任者
CLO
Chief Legal Officer最高法務責任者
CMO
Chief Marketing Officer最高マーケティング責任者
COO
Chief Operating Officer最高執行責任者
CPO
Chief Privacy Officer最高個人情報保護責任者
CPO
Chief Product Officer最高プロダクト責任者
CQO
Chief Quality Officer最高品質責任者
CRO
Chief Revenue Officer最高収益責任者
CRO
Chief Risk Officer最高リスク管理責任者
CSO
Chief Security Officer最高セキュリティ責任者
CSO
Chief Strategy Officer最高戦略責任者
CTO
Chief Technology Officer最高技術責任者
CXO
chief experience officer体験責任者

このように世の中には多くの「CxO」があり、企業によってはオリジナルティ溢れるCxOも存在しています。

例えばユーグレナ(東証一部)は2020年より「CFO(Chief Future Officer:最高未来責任者)」という18歳以下限定のポジションを運用していますが、CxOの名称や役割には法的な定めがないため、企業によって役割や意味合いが異なったり、今後さらに種類が増えたりする可能性があります。

それぞれの最高責任者に共通する期待値や役割は何か

CxOは企業によってその位置付けや期待される役割が異なりますが、共通してCxOに求められるのは、「その分野に精通し、社内で業務執行の統括ができるプロフェッショナルである」ということです。

CxOには「x」のプロとして、自分の担当領域における経営課題を把握し、どのようにインパクトをもたらしたり解決したりすることができるのか考え、実践していく能力が求められます。

気になるCxOの年収相場は?

CxOの年収は、正直なところ企業のフェーズや規模感などによってかなり変わってきます。

そもそも役員報酬なので、企業があなたをどれくらいのフィーで採用したいかにより、提示年収が変わってきます。例えば、スタートアップベンチャーだと年収600万円程度のCXOポジションもあれば、大手企業だと年収で億を超えるようなポジションもあります。

2019年のソフトバンクグループ副会長のロナルド・フィッシャー氏の年収が約33億円だったと話題になりました。報酬が高すぎるのでは、という批判に対して孫正義会長兼社長は「欧米ではもっと高額な報酬が支払われている。大事なのは我々の会社の価値増大に貢献したかどうかだ」と答えています。

つまり、会社の価値増大に貢献することができるのならば、通常では考えられないほどの年収でCxOのオファーを受けることもあり得るのです。

ご参考までに、2020年9月23日公開の東洋経済オンライン「配当含む「年収1億円超」経営者ランキング500(2019年5月~2020年4月本決算までの有価証券報告書開示ベース)」によると、上場企業役員の上位から500番目の方が1億2500万円の年間報酬を手にされていました。

上場企業には法定開示義務があるため、一億以上の役員報酬をもらっている人は有価証券報告書に記載されています。また、有価証券報告書には役員の人数と役員報酬の総額が載っているため、該当欄を見ればその企業がどれくらいの年収を役員に対して支払っているかを推察することもできるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、CxOの意味合いや歴史、導入する意図などを説明しました。CxO制度は今後さらに日本で浸透していくことと思われるため、少しでもご参照いただけると幸いです。

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