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起業から事業会社CPOへの転職?!SIer時代に培ったスキルと、「ものづくり」の先にあったものとは??

起業から事業会社CPOへの転職?!SIer時代に培ったスキルと、「ものづくり」の先にあったものとは??

幼いころから“ものづくり”に興味があったと話す三重野さん。安定とも思われる金融系SIerから独立し、起業したにも関わらず、スペースマーケットに惹かれた理由とは?仕事する上で、自分が楽しいと思えるような環境に飛び込んでみる大切さを学べる動画です。

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プロフィール
企業名
株式会社スペースマーケット(東証GRT)
出演者
CPO

執行役員

三重野 政幸

インタビュー記事



幼少期

どんな幼少期をお過ごしだったんですか?

小学生のときは漫画を描くのが好きでした。みんなにウケると、自分の世界観を描いて人に喜ばれるのが楽しいみたいな時期がありましたね。

どういう世界観の漫画を描かれていたんですか?

労力を使うのが好きじゃなかったので(笑)簡単でウケる、というのでドラゴンクエストのスライムに友達の顔を描いて、それで物語を作ってました

小学生のときから、モノづくりに近いようなことがお好きだったんですね。

当時読んでいた漫画で「ドラゴンクエストへの道」というドラゴンクエストのゲームを作る物語がありまして。堀井雄二さんとか中村光一さんがキーボードを「カタカタターン!」と(所謂プログラミング)して、ゲームを作っていくのがめちゃくちゃかっこよくて。それでゲームに憧れたのが、今のソフトウェアプロダクトを作る原点になってるんじゃないかなと。

学生時代

そういうこともあって、大学では電子工学の分野に進まれたんですね。

そうですね。パソコンに近いところにいると、そういうものになれるのではと思って。両親も応援してくれて、ハンダゴテとか買ってもらいました(笑)

SIer時代

大学ご卒業後は金融系のSIerに就職されましたが、なぜ、どのように選んだのでしょうか?

二つ条件を決めてまして。一つは福岡を出て東京に行くこと、二つ目はパソコンで「カタカタターン!」ができること、その二つです。当時はネットで探すとかができなかったので、雑誌や先生の話を聞いて探しましたね。

東京へ行くと決めたのは?

当時のドットコムバブル(1990~2000年にかけてアメリカを中心にIT企業への期待から株価が急騰)があって、イケてる会社は全部東京にあるようだと。絶対出ないといけないと思ってイケてる方に進んだ気がします。

「カタカタターン!」ができるSIerに入社して、ギャップとかはありましたか?

ありました。物事を完成させるまでの下積みのような作業が苦手で。「ログ」といわれる日本語ではないものを何十万行も読み込むとか。1文字間違えると動かないとか。そういう泥臭さがあるなっていうのが最初ありました。華やかな仕事じゃないな、これはと。

実際Slerには何年くらいいたんですか?

11~12年くらいですかね。

長かったですよね。大なり小なりいろんなプロジェクトに関与されて、立場もいろいろ変わられてきたと思うんですけれども、その12年間で印象的な出来事をあげるとしたらなんでしょうか?

金融系のシステムの仕事は、基本的に人間がやってきたことのオートメーション化なんですよね。たとえば、アナログで管理されていた印鑑照合(※)を電子にして、サーバーで管理する大規模な移行を担いました。アナログでどうやっていたかというと、印影を紙に透かして照合していたんです。なので、紙としてストックされている印影しか出来なかったんですよ。この支店にしか紙がないので、ここでしか出来ません、みたいな制限があったり。それを電子にして画面上でできるようになる、というDXですね。キャリアの最初からそういうDXをやっているのがよかったなと思いますね。

※顧客の印鑑が登録済みの印影と同じかチェックすること

早いタイミングでDXの波に乗っていたんですね。他にもありますか?

金融系のプロジェクトは人数が多くて、全チームで1000人くらいの案件もありました。そういった人たちを束ねて、同じ方向にディレクションするのはめちゃくちゃ大変なのですが、その経験があって、大きな規模のプロジェクトも成功できたんだと思ってます。

仮に三重野さんのPMの要諦を語るなら、成功させる条件とはなんでしょうか?

ゴールを作って、そこにみんなを連れていくというか、あっちですよ!ってちゃんと言えることですかね。

起業の背景

その後なんと!安定している金融系Slerからご自身で起業を選ばれると思うのですが、その背景をお伺いできますか?

2010~2011年あたりでモバイルの波が訪れるようだという風潮があって。そこに対して、こういうものを作るともっと便利なんじゃないのっていうアイディアがいくつかあって、それを実現したいなと思ったんです。その時にフルタイムの仕事をしているとどうしても進まないと。人を使うとかお金を出してどうこうする、という人もいると思うんですけど、自分は、「自分で作る」という道に進もうと思って。会社は辞める、という風に進んだって感じですね。

思い切りましたね(笑)実際、やってみてどうでした?

「楽しさ半分、大変さ半分」でしたね(笑)自分一人でやっているので、企画、開発、マーケティング…と、リソースが大変でした。しかも、自分でできることしかやらなくなってくるので、思考が凝り固まっていくんですよね。そしてモバイルアプリというものの性格上、「明日ダウンロード数がゼロになったらどうしよう」っていうのは毎晩思ってたんですよ。一人で全てを背負う難しさみたいのがあって、これずっと続けていくのは大変だろうな、と思って転職を考え始めました。

すごく人間味あふれるお話を頂き、ありがとうございます。。。

起業からの転職

そしてなんと2016年、スペースマーケット社に入られますが。起業されていたのにも関わらず、入社されたのは、どういった経緯があったのですか?

起業して、モバイルアプリである程度お金を稼いでいたんですけど、これからもうちょっと大きなことをしたいという気持ちになってきまして。一つは「人を雇ってチーム作るということ」、もう一つは「自分がどこかのチームに入る」という選択肢を考えました。前者については、性格的に、人を雇うというのがちょっと辛そうだと思いました。お金を払って人を雇って社長になる、とういうのは、自分の性格的に向いてないんじゃないかなと。で、面白いチームがどこかにあるかなーと思って、いろんな会社さんに話を聞きに行きました。

「性格的に辛い」っていうのは、組織マネジメントは辛いとかっていう話ではないですよね?

ではないですね。その人の人生に責任を持つレベルでコミットすることに、そこまで覚悟がなかったんです、その時は。

どういう軸で企業を見られてたんですか?

自分の好きなところは変わってなかったんで、「ソフトウェアプロダクト」と「将来性のある会社である」っていうのは条件に入れました。あとは、「東京にある会社」。その辺で探していくと、どうしてもスタートアップとかベンチャーになっちゃいますよね。そこで探した結果、行きつきました。

かなり情報を積極的に取りに行かないと、”これからの会社”ってなかなか見つからないですよね。

そうですよね。探し始めて、初めてこういう会社あるんだ、と知ったり。すごいいっぱいあるんですね、スタートアップっていうのは。あの会社のあの人と、この会社のこの人が繋がってる、とか、そういう世界になっていて、SIerの世界とは結構違うなと思いました。

入社を決めた理由

数ある企業の中で、なぜスペースマーケット社を選ばれたんですか?

最終的には面談で会った人が良かったという事しかないんですけど。プロダクトも良さそうだった。人も良さそうだった。自分はチームに入りたいと思っている。じゃあもうここにしようって決めました。

スペースマーケットさんにいい人が多い!というのは、社内社外関係なく、めちゃめちゃ聞きます!笑
ちなみに、やっぱり重松社長は、ご入社される上で重要な存在になってくると思うんですけど、どんなやりとりをされてたんですか?ご面談の中でとか。

その時自分が38歳で、スタートアップの中ではすごいシニアな方なんですね。でも、スキル面とかビジョンとか、どういうことを見ている人かとか、あとはキャリアパスとか、そういったところを聞かれて、「この人はシニアだけどスペースマーケットに合ってる」と思ってもらったんでしょうね。

ちなみに、今でも印象的な、選考過程でのエピソードはありますか?

自分で起業して一人でできる範囲のことをやっていたということを、「素晴らしい実績です」と言ってくれたんですよね。やっぱりスタートアップみたいな0→1を作ってる人にとって、すごい大きな会社で1人でちょこちょこやってますというと、「なんかちっちゃいね」と言われがちかなって思ったんですけど、スペースマーケットの人は「それは素晴らしい実績ですよね」って言ってくれたのが嬉しくて。ありがとうございますって思いました。

大成功エピソード

実際スペースマーケット社に入られて、現在CPOという、非常に重責あるお立場でお仕事されていると思うんですけれども、大成功話or大失敗話みたいなエピソードありますか?

大成功で言うと、スペースマーケットに入ったこと自体が大成功というか。

うわあ、いいお話ですねえ~(涙)

これは脚色とかじゃなくて(笑) こういった仕事のやり方があるんだと、もっと若くしてこういうところにいればよかったと、本当に後悔しまして。場所を変えたっていうのは良かった。自分の中では大成功だったなと。

それ嬉しいですよ、、、

大成功なエピソードをもう一つ言いますと、後々ヒット機能にはなる、ある機能をプロダクトにつけました。ですが、機能をつけただけではオンボーディングができないというか。ユーザーがそれをよくわかってないから使われていない部分があって、「その機能をどう使うか」みたいなところをすごい工夫して。機能を作ったのはエンジニアさんなんですけど、それを広げる動きをしまして。その機能がCVRとか成約数とか上げてくれる結果になって。結果、機能を作っただけではダメで、それを「どうやって使ってもらうか」をすごく工夫したっていうのは、そのときの学びでもありましたね。

自分はエンジニア出身なので、作って「よし、ちゃんと動く」というところだけじゃなくて、どうやって広告するかとか、広げるかというのがすごい大事なんだなと学びました。知ってもらうとか売るって、めちゃくちゃビジネスの根幹で、絶対避けて通れないから。フルコミットいうかみんなで絶対やらないといけないなと思いますね。

CPOとして成果を出し続けるために意識していること

CxOとして成果を出し続けるにあたって、意識されていることや大切にされていることを3つ、お願いします!

その1は、「仕組みを注意する」。物事が進んでアウトプットが出てきた時に、そのアウトプットに対して何かを言っても遅いというか、そこを変えても仕方なくて。そこに至るプロセスとか、人々の会話とか、そっちの方が本当は大事で、そっちを何とかしようという思考ですね。昔から少しはありましたけど。CxOになって、一層これはめちゃくちゃ大事なんだって思いました。

アウトプットよりもそのアウトプットの裏側のところがより本質的に大事だということですね。

その2は、「情報収集」。テクノロジーというか、世の中の潮流の変化みたいなのは絶対外せないんで、そこに意思持って向き合うみたいなのはあるかなと思います。思い返せば、自分のキャリア初期の2000年というのは、「インターネット」というものが一般的に使われるようになって、ドットコム企業というのがすごく広がってました。2010年ぐらいには、「モバイル」という潮流があって、また大きく花咲きました。自分がそこに乗ってたんですけど、10年単位で大きな流れの変化が起こっているなと。今は、VRとかブロックチェーンとかそのあたり。で、じゃあその変わっていく潮流のどこをちゃんとウォッチするのか、何に対して情報収集するのか、とか、そういうのは決めておかないとなと。

ちなみにその観点で、三重野さんが普段ウォッチされているインプット先はありますか?

すごいありきたりなんですけどTwitter(現:X)とかですね。

重野さんのアカウントをフォローすると、三重野さんが「いいね」や「リポスト」したものが、自然とタイムラインに上がってきて、思考をトレースできますね(笑)

その3は、「普段決めているルーチンワークをさらに改善するように努める」。仕事において、ルーチンワークをすごい大事にしています。毎日この数字を見るとか、この時間にこういうことするみたいな。仕事のリズムを作るのも大事だし、毎日続けることが一番大事かなと思っていて。ルーチンワークは基本セットとして大事にして、そこを改善していこうということを長年やってきましたね。

ルーチンワークは、本当に成功されている方で、取り入れている人は多いですよね。「ルーチンワークを改善する」っていうのは、あんまり聞くお話ではないんですけれど、何をきっかけに改善されますか?それともそもそも日常の中で見直す時間を作ってたりするんですか?

このルーチンはちょっと今の仕事の状態に合わないとか、ライフスタイルに合わないみたいな時は改修していくみたいな。

ありがとうございます!

最後にせっかくですので、見てくださっている方にメッセージがありましたらお願いします!

スペースマーケットの紹介をさせて下さい(笑) スペースマーケットは、スペースという空間の開いた場所をマーケットプレイスとして皆さんに貸し借りできようにする場です。「場所を貸すサービスなんですか?」と言われがちなんですけど、実は場所を貸しているというものでなくて、その上にあるコンテンツ、その上で何ができるかみたいなのにも広げていきます、というサービスです。それに向かっていろいろな打ち手をやっていますが、人が足りませんという状況があります。スペースマーケットは絶賛採用中なのでよろしくお願いします!

三重野さん、今回は、本当に楽しいお話をありがとうございました!!

ありがとうございました!

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