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就任して3年後に上場!攻めのCFOが語る仕事論とは

就任して3年後に上場!攻めのCFOが語る仕事論とは

幼少期から株投資を身近に触れていた竹本さん。キャリアはゴールドマン・サックスのアナリストから始まりました。そこでは「文章力×分析力」を培い、2社目のA.Tカーニーでは「ロジカルシンキング」を強化し、キャリアの幅を広げていき、最終的に大学の後輩が経営しているWACULのCFOとして入社し、入社3年後にIPO達成!攻めのCFOのキャリアについて迫ります。

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プロフィール
企業名
株式会社WACUL (東証GRT)
出演者
CFO

取締役CFO

竹本 祐也

生年月日
1985年08月13日
出身地
兵庫県

CxOの仕事論

1やるべきこと、やらないことを明確にする

2選択肢を広めにもつ準備をしておく

3投資の考え方を持っておく

インタビュー記事



中学3年生から投資!学生時代の経験が今の自分を形成

父親が株式投資が大好きで、家でもテレビでは日経CNBCとかでずっと株価が流れている環境でした(笑)なので、中学校3年生の時に投資を始めて、その経験から社会で起こっていることや、企業の強み、価値みたいなものに気づきました。すごく大きな世界が広がっているんだなと。

もう勉強どころじゃないですよね?

毎日家に帰ったら、日経の夕刊で株価を見て、父と「どの株がいいか」「今後どうなるか」とかをディスカッションしてましたね(笑)

中学時代、もう一つエピソードがあるとか、、、

今で言う「学校裏サイト」を作って親が学校に呼び出されました(笑)当時、インターネットはそこまで普及していなかったんですが、何か作りたいと思って独学で。
意図して裏サイトになったわけじゃないんです。どうやったら皆に使ってもらえるかって考えたら、学校情報を共有するのがいいなと。
でも罵詈雑言が飛び交うようになってしまって、いつしか先生の耳に入って・・・(笑)

親御さんが呼び出されてしまったと(笑)

中には、僕が載せた文章を面白いと褒めてくれる先生がいて、そこから書くことが好きになりましたね。株式投資もしていたので、今考えるとそれが最初の「アナリスト」という仕事に繋がったのかなあと思います。

ネタが豊富ですね(笑)
大学は京都大学に行かれましたが、そこではちゃんとお過ごしだったんですか?(笑)

そうですね。サークルも面白いものに出会えなくて、自分でフットサルサークルを立ち上げましたね。
当時「フットサルだけ」をやってるサークルがなかったのと、人数少ないしスペースも狭くて済むので、比較的立ち上がりやすいんじゃないかと。市場性があるなと思って。
4年目には100人までいきました。今思うとこれもスタートアップに繋がっている経験だったなと。

ゴールドマン・サックスで学んだ「自分の付加価値の出し方」

1社目がゴールドマン・サックスだったと思うんですけど、今でも通ずる学びってありましたか?

機能的なものも教わっていたんですが、一番は精神的な部分を教わりましたね。例えば、「プロとしてこうあるべきだ」「成果は出すのが当たり前だ」とか心が鍛えられましたね。ハードワークだったんですけど、辛かったかというと、逆に楽しくて「もっと成果にこだわってもっと当てたい」「もっと良い投資ストーリーないか」とか考えるのが好きだったので、それがプロフェッショナルとしてよかったと思いますね。

当時、リーマンショックがあって解雇の恐怖とかありましたか?

1年目はやっぱり怖かったですよ。当時、上司から「成果を出せていない」と言われて「どうしたら成果を出せますか」と聞いた時に、「まずはとにかく人の目につけ」「プレゼンスを上げろ」って言われてたんですよね。

例えば、誰かの会議やミーティングに出たら発言して、その発言が価値あるものだと思われたらそれが評価だと。だから、「ミーティングにも出来るだけ参加してたくさんの人と交流するといい。そういう小さなことでもいいから何か成果を出しておくと、仮に「竹本をクビにしよう」ってなっても誰かが止めてくれるっ」て言われたんですよね。

だから、会議中はとにかくいいことを、いかにどのタイミングで言うかをピリピリ考えていましたね。

A.T.カーニーで身についた「最速で答えを導くスキル」

めちゃピリピリしてそうですね(笑)その後、A.T.カーニーにいかれてどんな学びがありましたか?

証券から足を洗おうと思って、元々コンサルに興味があったので、もう一度挑戦してみたいと思って最終的にA.T.カーニーに行きましたね。

そこで学んだことは、ロジカルシンキングそのもの、無駄をことをしないこと。全て構造的に捉えて、的確に優先順位をつけて無駄なことを省くということが徹底されていた。

アナリストの時はレポートを書くので、「この時までにはレポートを出したい」という期日があるんですけど、明確なゴールはないし、突然降ってくるニュースで今日何かを出すこともある中で、逆にコンサル業界はプロジェクトの期間は決まっていて解く課題も決まっているので、最短ルートで答えを導くスキルを学びましたね。

スタートアップに憧れWACULに入社

そこからどうしてWACULに入社されたんですか?

A.T.カーニーの時に、新規事業を立ち上げるプロジェクトを何個かやっていたんですが、なかなか動かなくてゆっくりゆっくり進んでいくのを目の当たりにした時に、ずっとこういう風に続けていっていいのかを考える時期があったんですね。

その当時からスタートアップの本を読むのが好きで、「スタートアップは面白い」「もっとこういうスピード感もってヒリヒリした感じでやりたい」って思って転職活動を始めました。いくつか選考も受けて、ある会社に内定も決まっていたんですが、そのタイミングで元大学時代の同じゼミで後輩だったWACULの大淵社長からFacebookで「CFOを紹介してくれ」って連絡がきたんですよ。

「どんな人がいいの?」って聞くと「コンサルも経験していて、投資銀行を経験してくれたら最高」って。「それ俺やん」ってなって一度話そうってなったんですよね。

話してみた結果、自分の興味分野とも近くて「一旦、考えるわ」と言って、色々悩んだ結果最終的にWACULに入社しました。

就任して3年後に上場!IPOで大変だったこと

大淵さんが後輩だったんですね。上場もされていたかと思うんですけど、IPOするまで大変だったことをあえて挙げるなら何がありましたか?

ステークホルダーの交渉はCFOとしての醍醐味でもありますし、一番辛いってことがありますね。証券会社や監査法人、IPOに向けた上場審査では東京証券取引所も絡みますし、今まで投資してくれた株主、それから上場後を見据えた新規の株主、そういった方が目まぐるしくいるんですよね。それぞれの思惑があるので、その中で立ち回らなければならない。

あっちから言われて、こっちから言われての繰り返しですね。

そうですね、「業績・予実べたべたに当てろ」って言われるので、何年か予実を当てるトレーニングをしながら、予実が外れたんだったら、それをどうロジカルに話すかって、そんなことをしている時にコロナがきたんですよね。

コロナの時期に申請するつもりだったのに、途中解約が相次いで、でも会社計画から外れることをしたくないが受けざるを得ない。それがどんなインパクトがあるのかを全部精緻化して説明できるようにして、そしたら次にDXの波がきて追い風になり、半年くらいで色々入れ替わっていたのでそれをやりながら、同時に審査も受けて…。

面白いけどはげそうでしたね(笑)

腕の見せ所期間でもあり、精神的にハードな期間でもあったと思うんですけど、一番言われて嬉しかった言葉あります?

ミーティング中もお互いしゃべらないでじっと見つめ合うだけの時間があるようなシビアな交渉があったんですけど、その方が部下に「竹本は相当手ごわいぞ。あいつはやってくれるぞ」と言ってくれてたみたいなんですよ。嫌われてもしょうがないくらいバチバチでやっていたんですけど、逆に評価してくれていることが嬉しかったですね。

交渉をうまく着地させて絶対にブレイクさせるのはよくない。どこまで自分たちの思いを受け取ってもらって譲渡してもらえて我々も受け入れられるもので落とせるかなので、交渉している時はヒリヒリですね。

仕事で意識していること1「やるべきこと、やらないべきことを明確に決める」

Mustなのか、Nice to have(やればいいじゃん)なのか。大きな成果やインパクトを出そうと考えると、Nice to haveもしくはギャンブルみたいなことまで全部やってしまうこともあるし、逆にMustのことしかやらないと、実は遊びがなくてNice to haveが本当は大きくなったのに逃す。

だから、常にやるべきこと、やらないこと、もしくはやったらいいこと、それらを分けたうえで今何を優先すべきかを考えてやっていますね。

仕事で意識していること2「選択肢を広めに持てる準備をしておく」

それをしないとやりたいとか、チャレンジしたい時に何かの制約がかかってチャレンジできなくなる。自分がこういうことを学びたいと思ったときに選択肢が取れない、丁稚奉公を始められるかというと、始められないものになってしまう。

そうすると、自分のキャリアだったりプロフェッショナルに何かを育てていく時に限定されるのは、蟻地獄だと思いますね。

仕事で意識していること3「投資の考え方を持っておく」

1つ目の話とは少し矛盾するんですが、無駄に手を動かしたことが凄く自分のスキルになっていたりする。あと、忙しくても先輩や同期に頼られたことをしとくと、後々になってそれに助けられている自分がいる。長い目で見てみると投資になることは凄くたくさんあると思うんですよね。

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